2006年03月09日

壬生寺いいとこ不思議なところ

都市の境界が今回の特集のテーマなのですが、大きく地形編と都市編に分かれます。
地形編は山、川、池等。私は川を担当していますが、大体記事が出来上がりました。
都市編では、京都の町内で祀られている地蔵堂にスポットライトを当てた記事を書いています。
なぜ境界のテーマで地蔵堂を取り上げるか、といいますと、地蔵堂の歴史を探っていると、どうやら地蔵堂は、町と町の境界や、道の合流点等異質なものが交わる境界に建てられていたらしいのです。そこで現在の地蔵堂の配置を探ってみることで、京都の知られざる一面が見えてくるのではないか、ということで地蔵堂について調べているところです。

さてさて、京都で地蔵といえば、8月23、24日の地蔵盆が有名です。これが共同体の祭祀として戦後注目され始めました。ここで地蔵堂を新たに設けた町もあるようですが、この時期だけ地蔵をお寺から借りてくる町もあるようです。お地蔵さんが借りれるという衝撃の事実!これは面白いと思い調べてみると、壬生寺でやっているとのこと。ということで出かけてみました。

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壬生寺の本尊は延命地蔵菩薩であり、京都の地蔵の寺として最も有名なお寺です。
上は本堂の写真ですが、ぱっと見、普通の光景です。しかし、あなどるなかれ…。本堂の左右に何やらこんもりしたものが見えます。

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これは本堂の左手にある千体仏塔。ミャンマー・バコダ様式の塔を建て、千体のお地蔵さんをそこに並べてしまおうというなんとも大胆な発想。中には入れません。お地蔵さん、あんなに高くに行ってしまってオロロ…と少し悲しい気分です。
これらのお地蔵さんは明治の京都の地区整理の際、撤去されたお地蔵さんの一部が、地蔵の寺として有名だった壬生寺に預けられたものです。中には室町時代のものもあるそうです。

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地蔵盆に貸し出されるのは、こちらのお地蔵さん。本堂の右手にある小さなパゴタ?の方です。こちらは近いからか、小さいからか、大分親近感があります。お顔の見えない古いものから、新しいもの、中にはアメリカ・オレゴン州のお寺から寄贈されたお地蔵さんもいます。
地蔵盆の頃は50体ほど貸し出されるようで、最近はマンションの町内会の利用も増えていようです。1体3000円ほどで貸し出されるようです。しかもこの制度、「レンタル地蔵」ではなく、「出開帳」と呼び、寺宝を外に貸し出す出開帳の制度は江戸時代後期から行われていた、といいます。当時の出開帳が地蔵盆にも行われていたかどうかわかりませんが、現在の出開帳からは、地蔵盆という共同体の結束を高める祭祀には興味はあるが、日常的な管理は避けたい、という願いを見て取ることが出来ます。地蔵盆の管理にはいろいろと問題もあるようですが、街中で見かける地蔵堂にはいつも美しい花が活けられています。萎れている花をほとんど見ることはありません。下の写真は西綾野小路の地蔵堂の管理について書かれた看板です。供花する日がきちんと決められているのが分かります。

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そこにあり続けるのと、一度なくなってしまうのでは、地蔵堂に対する人々の意識が変わってしまう、そんな気がします。壬生寺の千体仏塔はいわばお地蔵さんの孤児院のようなもの。
町にもらわれて大切に拝まれる日が来るといいな。


posted by ren_joe at 21:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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