久々の記事は、当然、京都のなにがしかの記事でいくのが定石だとは思いますが、夏休みの報告も兼ねて、遠いところのお話をひとつ。
だいぶ前の記事にも書きましたが、僕にも深い縁のある秋田県角館町という小京都があります。その目玉商品ともいえる武家屋敷まわりはとっても綺麗なのですが、日常の住まいがある町人街(外町)はいまやボロボロです。かつては雪国の町家に相応しい明確な「型」をどの家も有していたわけですが、さて現在はというと、、、。
というわけで、先日、僕が角館に探訪した際に、彼の地にたたずむ数々の町家(現役、元、偽装、変型、、、など含む)の写真を納めてまいりました。並べてみると、これが結構面白い。そこで、今回から数回にわたって北国の迷走する町家状況を紹介したいと思います。

まずは、典型的なやつ。これは昨年、僕が曵家+増築した親父の生家で、手前に見えるのが築100年の2階建て町家です。簡単にいうと角館町家の特徴は、
1、切妻屋根
2、妻入り(ちなみに京都は平入り)
3、前面にとりつく片流れの下屋(冬場のアーケードになり「こもせ」という)
の3つといえましょう。しかし、現在はこのような典型的な町家はほとんど残存しません。

町中を歩きまわって、どうにか5軒くらい見つけた典型町家のうちのひとつがこれです。あって良かったぜ!!と、狂喜乱舞したいところですが、どうも空家くさく、その命も風前の灯っぽい雰囲気が濃厚。正直やばいです。

さて、最も目につくのは、上のようなタイプ。要するに町家の特徴3ヶ条は満たしているものの、外壁は真壁ではなくトタンをはったり、モルタルで固めたりしたもの。防火などでやむをえずこうなるのでしょうが、正直やぼったく、あんまり町家には見えません。

なら、いっそモダンで勝負!といったのが上のこちら。箱型金属版ばりでにぶい光沢が、素敵。でもどんだけモダンでも、片流れの下屋は忘れないこの郷土愛!ああ。

なんだかわからないけど、改造をくりかえしたら、こんなんなっちゃったのがこれ。商品と外装が絢爛豪華に家を盛りたてます。個人的には結構好き。
と、まずはさわりはこんなところで。まだまだ、いろんな種類ありますが、すこしずつ紹介したいと思います。「えぇ-まだひっぱるんかい」という怒声が響き渡るのがこちらまで届きそうなのではありますが、懲りずにおつきあい願えたら幸いです。京都の記事も復活させますんで。
次回を楽しみにしています。