2005年11月01日

「どうでもいい風景」と地区ビデオ

 来る12月10日に、京都CDL地区ビデオコンテストが開催される。今年でもう5回を数える。

 京都CDLが発足したのは2001年。その初年度半ばに、調査という分析的な形式だけではなく、直感的に風景を感受し、それをいきいきと描写することも必要なのではないかと思って編み出されたのが、地区ビデオコンテストなのだ。

 映像作品のジャンルは何でもありで、それこそラブストーリーなどのドラマ仕立てでもオッケイなのである。ただ、その場合、登場する人物は時間をすすめる媒体の役目を果たすだけで、本当の主役はあくまで地区の風景でなくてはならない、というのが、ポイントであった。

 しかしながら、なかなかにこの主旨が伝わらない。「プチシネマ」という麻薬にさまざまな位相で取り憑かれてしまうのだ。「役者業」にハマる。「監督業」に浸る。ビデオ編集テクニックをみがきまくる、、、などなど。また「劇的な」ロケ地にこだわりすぎて、結局お昼のドラマか、日曜朝の戦隊ヒーロー特撮ものの背景ビデオみたいになっちゃったり。

 しかし、撮影側の気分はすごくよくわかる。要するに朝おきて、窓を開けたらそこにあるような「どうでもよい風景」なんか撮りたくないのだ。しかし、この「どうでもよい風景」こそに地区ビデオの鍵があるのではないだろうか。たとえば、「どうでもよい住宅」もよく見ると戦慄が走る。これだけ滅茶苦茶バラエティに富んだ住宅がひしめきあっているこの風景。昆虫収集家が住宅収集にもし目覚めたならウハウハな状況である。どの国にも増して見事な住宅標本が完成するだろう。こんな「特殊な風景」が、普段「どうでもよい」「普通な」風景に映るのだ。「どうでもよい風景」に一度騙されたと思って向き合うと、とんでもない発見がそこに潜んでいるかもしれない。

 今年のコンテストのテーマは「京都遊歩者 見慣れたまちを、見知らぬように」である。「どうでもよいもの」たちが魑魅魍魎と化して跋扈する風景が見られるかもしれない。

 作品はまだ募集中。〆きりは12月1日である。

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posted by zukan at 16:32| Comment(0) | TrackBack(0) | おしらせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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