2005年11月14日

思わず大ヒント授与。「地区ビデオ」

 突然なのだが、京都CDLには監督と呼ばれる人たちがいる。そもそもCDLの「L」は「リーグ=League」の「L」というわけで、大学研究室をチームとした、「まちづくり提案」のチーム対抗リーグ戦を繰り広げるというのが主活動なのだ(現在はチーム対抗戦は休戦中で、「CDL」という連合チームで、共同戦線をはりながら都市観察や、さまざまな提案を行っています)。
チームがあるなら、当然、監督がいるわけである。もちろん、各研究室の先生が監督である。

 前置きが長くなってしまったが、今回はそんな監督のひとりである平安女学院大学の中林浩先生から頂いた、非常においしい、「ヒントな」お話を紹介させていただきたい。

 2年前に第3回地区ビデオコンテストを開催したが、この回は20余りもの作品が集まり、上映会あとの審査会は混迷を極めた。作品の傾向、狙いもさまざまで、明解な評価軸を設定するのが困難だったのだ。そんな中、中林先生は作品の評価軸として「京都の「何か特別な場所」を扱うのではなく、日常を扱っている作品を、まずは評価したい」という発言をされ、それは、
このコンテストの核心となるであろう内容であった。ただ、この回に集まった作品は、その軸に応えうるものが乏しく、その軸から展開されていくであろう発見性と可能性が、残念ながら示されることはなかった。

 しかし、中林先生の言葉が、ずっと、小骨が咽に刺さったかのように「ひっかかり」続けていた。その後、第4回目の地区ビデオコンテストを開催するも、やはりこの「軸」に「触れそうで、触れきれない」ような作品を見るにとどまり、さらに1年が過ぎていこうとしていた。

 現在、第5回目の地区ビデオコンテストの作品を募集中ではあるが、「今年はどうなのか?」という思いで悶々としている折、かの中林先生が作品出展するという噂がどこからともなく流れて来た。そこで辛抱できずに、中林先生に「噂がありますが、実際のところはどうですか?」と無遠慮な問いを投げかけてしまったのである。その回答は以下のようなものだった。

「残念ながら出品の予定は立ちません。ぜひ挑んでみたいものです。ことしのテーマも魅力的です。
 わたしは映画通ではありませんが、旅行先のホテルのテレビでキアロスタミというイランの監督が作った「白い風船」というのを見ていたく感激し、ヤフオクでこの監督のものを5作品ほど買いました。受賞作があってけっしてマイナーな監督ではないのですが、なかなかユニークです。
 ストーリーらしきものがないから「白い風船」のように単純です。「友達の家はどこ」は友達にノートを返しに行くだけのものです。イランの都会の日常生活をさりげなくするどく描いています。「宿題」という映画(というよりドキュメンタリー)では、小学生と親に宿題
についてのインタビューをしていくだけのものなのですが、イランの家庭と地域がどういうものがだんだんわかってきます。こういうのができたらやりたいですね。」

 中林先生の作品出展の噂は、残念ながら「がせネタ」だったわけだが(僕自身、誰から入手したかも思い出せないくらい、本当にどこからともなく漂ってきた噂ではあった)、先生の回答には、今回のコンテスト作品制作への、非常に大きなヒントが満載である。「友達の家はどこ」も「宿題」も、このタイトルにはほとんど意味がなく、映画の内容や「狙い」を示すものでは、全くない。「本当に描写したいもの」を引き寄せるための単なる「ガイドライン」に過ぎないのである。一応タイトルどおりの条件で時間が進んでいくが、そこを透けて見えてくるもの、、、。これ以上言う必要もないだろう。

 僕のそそかっしさから、始まったメールのやりとりではあったが、とんでもなく大事なヒントを先生から授かった、と深く感じ入ってしまった。

 12月10日の上映会、不安よりも、期待の方が大きくなった、現金な僕であった。


posted by zukan at 14:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 所感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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